相続と抵当権抹消(団体信用保険)


相続登記と抵当権抹消登記について。住宅ローンを組んでいた方が亡くなった場合、団信(団体信用保険)に加入していれば保険金で債務は返済されます。相続の依頼があった場合、登記情報を確認し抵当権の有無をまず確認します。具体的には相続人から金融機関に不動産の所有者である被相続人が団信に加入していた事実を伝え、債務弁済手続きを進めます。債務が完済されると、相続人に対して金融機関は権利抹消の手続書類(登記委任状・解除証書・登記識別情報)を発行します。その書類を使って法務局に以下の順序で登記手続きを進めます。

①相続による所有権移転登記:被相続人から相続人への権利の移転を登記情報に反映させる

→相続を証明する為の戸籍の束・住民票・遺産分割協議書(印鑑証明書)を添付します。

②所有権を取得する相続人を登記権利者、金融機関を登記義務者とする抵当権抹消登記

→金融機関が発行した、登記識別情報通知、解除証書を添付を添付します。

の順で手続きする必要があります。順番を逆にしないように注意が必要です。

ちなみに団体信用保険に加入していない場合には、抵当権を抹消することはできないので①の相続を原因とする所有権移転登記のみを行う事になります。そして住宅ローンの支払い義務は相続人が負うことになり、万一支払いが滞ると抵当権が実行され裁判所主導での換価手続きへ発展してしまうので注意が必要です。


記載日:2023/03/07