相続欠格について

相続欠格について。典型例はサスペンスでたまに見るような被相続人を相続人が故意に手にかけたケースや相続に関する遺言書を勝手に書換えたり、破り捨てたりしたようなケースです。

・法律上当然に相続人ではなくなる(特別に申請などは不要)

・基本的に他の相続関係には影響なし(相対的と表現されます)

→この部分に誤解が多いのですが、条文では【故意に被相続人又は相続について先順位若しくは同順位にある者を死亡するに至らせ、又は至らせようとしたために、刑に処せられた者】と規定されています。子が父親の相続に際してこの要件に該当した場合、母親の相続については【先順位若しくは同順位にある者】に該当しいずれの場合も相続欠格に該当します。

・遺贈を受けることも出来ない

・相続開始時に効果は遡る

・戸籍に記載されることはない。(廃除された場合には戸籍に記載される)

→ある相続で相続欠格となったからと言って、全ての相続に関して相続人になれないという意味ではありません。別の相続関係では相続人になり得るという意味合いです。

上記の通り、故意にというのが一つのポイントですので【過失】の場合には上記に該当しません。

被相続人が例え許したとしても、相続権を回復することは決してありません。この点、推定相続人の廃除と異なるポイントです(廃除は家庭裁判所へ手続きを行う事で取り消すことが可能)。相続欠格・廃除は代襲相続の要因となります。この点、相続放棄が代襲相続の原因とならない事とは対照的です。


記載日:2023/04/08