複数の遺言書

記載日:2023/2/20


遺言書が複数ある場合の考え方に関して、本日は書きたいと思います。その前提として遺言書の形式はよく知られているものとして、下記をご存じの方も多いと思います。

・自筆証書遺言

・公正証書遺言

さて遺言書が複数あるケースでの問題点は、その内容が矛盾する場合です。例えばある不動産を相続人Aに相続させる旨の遺言と同じ方が書いた別の遺言書には、相続人Bに相続させる旨記載があった場合です。

結論は、以下の通りです。専門的には遺言の撤回とみなされる行為です。

①遺言書の形式に強弱はない。

②矛盾する内容については新しい日付の遺言書が優先する。

例)公正証書遺言を先に記載した後、別に自筆証書遺言で矛盾する内容の遺言書を残した場合、自筆証書遺言記載の内容が優先されることになります。その方の亡くなる直近の意思が反映されると考えることができます。

他にも自筆証書遺言であれば、手元にある遺言書を物理的に破り捨てる、遺言書全体に明ペンで斜線を引くなどの行為も遺言の撤回とみなされる行為とされています。